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出会い満載のお仕事、会うたびに新しい人生のドラマが始まる!毎日をもっともっと楽しく過ごしたいけど、そう簡単には無理と思ってる方には不動産検索で新たな出会いがあるかも。(宣伝広告風のスタート)
今から6年前にお客さんとして知り合ったサマンサ(サム)、彼女との出会いが私の人生をまたバージョンアップしてくれた。サムはまるで得体の知れない不良娘なのに、何故か人に愛されてる。とっても愛されていて凄くわがままな娘になってるんだと勝手に逆恨みをしたことすらあった。でも今は、私もサムが大好きで彼女が人に愛される訳をいつも盗み診している。
サムの母親から「娘にアパートを買ってあげたいの」という電話。こういう相談を受けるたびに、そのラッキーな娘というのはきっと両親にとっては掛け替えのない天使のような娘なんだろうと想像する。そしてこの母親の娘もきっといい子なんだろうなぁ、と思っていた。購入価格はいいのがあればそれなりに「努力」をするけれども、維持費の安いところが絶対の条件。なぜならばお母さんいわく、サムは仕事をしてないし、、しても気が向いたときだけだから大した収入はないだろうとのこと。それと、彼女は車を運転しないから駅に近いこと、それと明るくて、アウトドア・スペースがあるといいわ。あとはワンベット以上はないとね。友達が多いから出来れば2ベットがいいかもね。そしたら友達と出かけて夜遅くなるようだったら泊まってもらえばいいし、とそれらの条件を間を置かずに私に伝えてくれた。初めて物件を買う人にありがちな事だが、希望ばかり多くて実際、マーケットをみるとガッカリ!そこでくじけずに条件を変えながら理想に近いものを探すというのが普通だが、このお母さんの話を聞くとあまり条件を変える様子もない。両親はマンハッタンにアパートを所有しているから、心底希望をいうと娘にもマンハッタン内に買ってあげたいところだが、サムの希望でブルックリンがいいというから仕方ない。。。それでも両親はまったくブルックリンの地理に無知ということで最初サムが気に入るだろうと思われるロケーション探しからはじめることにした。サムの両親に始めて会った時の印象は、ヒッピーがそのままうっかり大人になったお母さんと更正したお父さんという感じの両親だった。一日かけて可能性のある地域を検索したが、私はこの両親の娘ということできっと天使のようなサムではなくてイースト・ビレッジにいるタイプのはぐれ天使系と想像して、きっとヴィレッジ系の人が多く好む地域のウィリアムス・バーグはどうかと勧めてみた。そして両親と私の3人で物件をみる事にした。母親いわく、仕事もしていない娘に対して、サムは忙しいから(遊びだろ、どうせ。。)彼女は抜きに物件をみにいって、オファーを出してもいいだろうというくらいに気に入った物件があったらサム(様)に見てもらうことにするとの事。この時点で私は、そんなことを許すこの親にたいしてかなりイライラしていた。どんな借りが娘にあってそこまで気をつかう必要があるのか?それでも私はサムに対して何の責任もないから別に彼女が好き勝手に毎日あそびほうけようが、親に態度が悪かろうが私には全く関係のないことだと思い、少しでも冷静を保つように努力をした。ウィリアムス・バーグの物件を見たが、全ての条件を満たすのには至らない。駅から遠いとか、日当たりが悪いなどが理由だ。それにしても懲りずに毎日のようにサムがあ〜だ、こ〜だを私に彼女の話をするお母さん、実をいうと会った事もないサムだかもう聞いてるだけでその態度を是非公正したくなるような娘だ。それと、サムのアパートを探すためにお父さんはというと、アパートを見に行くたびにマスクを手に持ってくる。何故かというと彼は犬、猫アレルギーのため、一応のためにいつもマスクを持っていたというわけだ。
検索を高級住宅と呼ばれるパークスロープにほど近い、ウィンザー・テラスに変えてみた。ここならパークスロープほどの高級感はないが、同じような条件でかなり理想に近い物件を見ることができた。4階のウォークアップ、小さめではあるけれど2ベッド、キッチンとバスルームにも窓があり、それぞれの部屋には明るい日差しがさす角部屋。しかもプライベートの屋上からはマンハッタンの景色が見える。ドアマンはないが、駅からも、そしてブルックリンのオアシス、プロスペクトパークには歩いて1分以内という絶好のロケーション。ただ、サムが思うヒップなブルックリンという感じはあまりない。それでも両親は、これは彼女にみてもらう価値あるかもね。ということでとうとう私はサムに会えることになった。アパートに大きな犬がいたからお父さんはというとマスクをしてもアパートに2分以上入らないように気をつけるという条件でサムと登場!初めて会うサムは、私の予想通りの娘だった。ひとつ私が思っていたのと違ったのは、笑顔に屈託がなく、その笑顔にウソがないのが感じられる。なんかウソがない子というのはどうも嫌いになりようがない。話を聞く限りのサムはわがままで、周りにいる人のことなんてなんにも気にしない、親のすねをかじりなんの生産性もない生き方をしてるんだろうと勝手に思っていたが、実際に会って話しをすると何故か私も、サムの為にいい物件を探してあげたいという気持ちになっていた。
さすがはサムの両親、最初にサムが見た(両親にとっては2週間の検索)物件を気に入ってくれたようだ、というよりも「いいよ、これ買おうよ」というノリだ。それでも、私と両親の3人は「お〜、サムが気に入ったっていうんだから、じゃ、頑張りましょ!この物件をサムの為にゲットしましょう」という団結感まで生まれていた。結果からいうとコープにもかかわらず、しかも収入源も怪しいサムだが、アパートは現金で購入、さらには両親が収入を保証するということで無事にボードのインタビューにも合格した。ボードのパッケージをそろえる作業をしたのは当然、両親だが実際にインタビューに行かなくてはならないのはサムだった。私は電話でまるで壊れたテープレコーダーのように何度もサムに「これはジョブ・インタビューだと思って行ってね」ということをインプットした。相手がリラックスしたムードだからといってべらべら何でもボランティアで自分の事を話す必要は全くないと言う事、服装等の注意点を呪文のごとく伝えた。サムがパスしたと確認する翌日まで、なんだか私もドキドキして地に足がつかない気分というのはこういう事をいうんだろうと思われる経験だった。サムがパスするために全て準備をしたとはいえ、やはりマネジメントエージェントからパスしたよと聞いて、3人でホット胸をなでおろした。サムはというと「当然でしょ?」というノリ。これでサムも人の家を泊まり歩くようなこともなく、うちで料理をしたり(するのか?)意欲的にいままで気が向いたときだけ造っていた洋服やアクセサリーをもっと作ってそれを売ったりして生活していってくれたらいいという両親の希望が少しでも叶うといいなと、心の底から私も願った。クロージングまでの間、3回ほどサムに会う機会があった。話すと、わがまま娘を羨んでなんだか嫌いになりたいところだが、やっぱりウソのない会話や態度で外人の私に接してくれ、もっと好きになっていった。何年この仕事をしていても、やはり自分は外人で、お客さんの方がかえっ私に気をつかってるんではないかと思うことすらもたびたびだが、サムはというと平気で私が間違った話かたをすると笑いながら「違うよ〜、こうやっていうんだよ」とか「こういう言い方のほうが正しいかもね」とズケズケと言ってくれる。大人になって人に注意されるのもそうそう居心地いいものではないが、サムに英語を注意され「えっ?何いってんの?」と聞き返されても、私も素直にもう一度言い直そうとか、話そうという気持ちにさせられた。好き放題に生きてるようだが、あれでいてきっと周りの人間の事に気づかいがあるんだろう、だからきっとみんなサムの事が好きで何故か彼女だけは許されてるのかもしれないと思った。 私もサムがこれから落ち着いて、彼女がなりたい人になって、素敵な人生をおくれるといいなと自然に思っていた。
それから一年もたたないうちに、サムの両親から「サムの為に投資物件を買ってあげたいんだけど」という連絡。何?今度は投資物件、しかも娘のために。。。アパートを買ってもらうだけじゃ彼女のライフスタイルは変わってなかったようだ。これでもか?という程、娘につくす両親、どこまでサムにつくせば彼女は更正するのだろうか。。。アパートに引越ししてからのサム情報は、なんとお父さんが犬アレルギーだというのに犬を飼いはじめたという事だ。それじゃ〜、せっかく購入したアパートにお父さんがこれないじゃないか?!あまりお父さんの事は考えずに、ただ単純にプロスペクトパークに近いのをいい事に、ずっと前から飼いたかったバグをサムの弟分としてアパートに同居させているという母親からのニュース。きっと本人に悪気はないだろうとすぐに察しはついたが、一体いつになったらこの両親に心の平和が訪れるのだろうか。。。
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