NYの日系コミュニティガイド
NY EVENT
Vol. 16 3週間で買って引っ越し。って可能なの?
2007/05/01 UP

  私は思う。一番わかりにくいのは自分の事なんじゃないかと。2月初旬、どこかで聞いた事のある声でメッセージが入っていた。何度メッセージを再生しても名前が聞き取れない。でも、まるで懐かしい友人めいた声。まるで私の事を知ってるトーン。何度かその番号に電話をかけてみたけどつながらない。一応、メッセージを残し、向こうから電話が来るのを待つことに。ついに電話の主、発覚!私が10年来お世話になっている歯医者さんの、その友人だった。といっても、前々から歯医者さんには、「きっと私と彼は気が合うから会わせてやる」と言われていたんだった。私も彼の話を何度か歯医者から聞いているし、彼もきっと私の話をドクターから聞いていたんだと思う。だからなんだか電話で話しをしただけでまるで昔から知っている友人のように会話が弾んだ。のは良かったのだけど・・・。がっ!何故、彼(ここではJ君としよう)が2月に突然、電話をしてきたかというと2月の終わりにアパートのリースが切れるからどうにかしてくれとのこと。まぁ、普通に考えてあと3週間程度でリースが切れると分かっているのなら、すでにリースを更新してるとか、とっくに引越しの予定があってもおかしくない時期のはず。なのに何故、彼は今になって、はて?3週間後にどうすればいいんだと思ったのか。

 歯医者から聞いた限りのJ君についての情報は、子供の頃にプエトリコから移民してきて、2年前に両親の夢だったフロリダ・マイホームを購入してあげた親孝行でいいやつ。ゴルフがプロなみに上手いが、仕事は保険会社のセールスマン。セールスが凄く上手く、サクセスフルだからきっとケイコは彼から沢山学ぶことがあるだろう。ちなみに、30代後半で独身だけど、ラテン系の女以外には全く興味がない。ところが、ラテン系の女性で同年代は殆ど子持ちというのが唯一彼の問題(?)。とか何とかいう事を何度も聞かされた事を思い出した。その他に、J君と話をしていて思ったのは私以上に欲張りだというところ。だから知らない事は勉強するし、なんでも知りたいみたいなところがある。J君は私と不動産の話をしていてありとあらゆる質問を投げかけてきた。もう、聞けるものはなんでも聞きまっせってノリで。私も知らない事はできる限り教えてあげるし、分からない質問に対しては将来のリフェレンスとして勉強した。そういうノリのJ君は、要するに、ニューヨークでサクセスフルに、独身でサバイバルしているというわけだ。そういうことなら、うっかり無計画に生活しているとも思えないし、一体何故?3週間後にあなたはどうするの??

 今、友達としてというよりも不動産エージェントとして私が彼にして上げられる事は、J君のライフスタイルにあったアパートを至急探す事。それで今いったい彼がどういうところに住んでいてどういう生活をしているのかを聞き出してみた。まず今のアパートは1 ベッドルームだが物凄く広いらしい。一体その物凄く広いというはどれくらいのことをいうのかと思っって聞いてみると900 SFもあるそうだ。しかも、大きな家具も沢山もっている。そんでもってロワー・イーストサイドに住んでいるけど、週末はほとんどゴルフにでかけていて、近所のお洒落なレストランにでかけたりすることはあまりないそう。ウォールストリートに務めているが、朝はついついタクシーで仕事に行ってしまう。大きな1ベッド・ルームに住んでいるわりには誰を招くわけでもなくアパートでは寝るだけの生活をしているということだった。これだけ聞いて分かることは、彼には今、大きなアパートは必要がないのではないかということ。そしたら、どうせ月々$3,000 近く払うのなら、いっそのことウォール街に近いスタジオのアパートをバジェット内で見つけられたらいいのではないかと思った。

 早速、バジェット内で仕事場まで歩いていける距離のアパートを何件か見たが、どれを見ても彼は小さいから嫌だと言う。アパートを見ながら話していて気づいたのは、J君はとってもお金に関して敏感だということ。簡単に言えばケチだ。独身でお金に苦労しているとは思えないし、だからご両親にフロリダの家を購入してあげる事ができたのだろうという事が分かった。さらに話していて気が付いたことは、J君の言ってることはなんだか矛盾しているということ。狭いのはいやだから広いアパートがいいと言っているかたわらで、寝るだけのためのアパートなのに贅沢だとかなんとか、言っている。?それでも私は、彼は自分の事をわかってそうしたい理由があるのだろうと黙ってリクエストに応えるべく必死に物件を探した。2 日くらい一日中彼だけのために、あーだ、こーだとレンタル物件の検索をしていてふと思ったのは、十分にお金を持ってるのにどうして購入しないんだろう?ということだった。時間が無いにもかかわらず、どんな物件を提案してもあそこが駄目だとか、ここが駄目だとか、そんなことばっかりで、こんなんだったらわざわざブローカーフィーを払ってどうして引越しする必要があるのか不思議でならなかった。

 J君が何故、2 月いっぱいで住んでいるアパートを出て行きたかったかというと$2,600 のアパートが3 月から$2,900 ちかくに値上がりするのが気にいらないらしい。それは分かるが、この切羽詰まった時に$5,000 以上のブローカー・フィーを払ってまで引越しするのならば$300 の値上げくらい我慢してあと一年かけていい物件を検索するべきだと思うのが普通じゃないのだろうか?チラッと話の途中で私なりに単純な計算を言うと、なんかハッ!としたようでいきなり「そっか〜、そうだよなぁ」と思ったらしい。・・・・・。ていうか、普通、一応計算してみるでしょ。私にしてみたらどうしてそんな事をいままで気が付かなかったのかが不思議でしょうがない。それと、独身で税金を沢山払っているのなら一層のこと、投資のつもりで何かアパートを購入するべきだという話もちらっとしてみた。そういうわけで2、3日ハッスルしたけど落ち着いて考えましょと提案。するといきなり「買う、買う!もうなんでもいいから買うよ!」私は、「じゃあ、オッケイ、買いましょう」と言いたいところだったが、あと3 週間以内に引越しをしないとならない人が今、購入ってできるわけ無いよぉ〜。だよね、普通そう思うはず。

 ところがJ君は私以上に強引だった。私も比較的エキストリームな事を押しつける方だが、不動産購入は2 ヶ月あってもぎりぎり、3週間以内なんて無理だと思った。もう、考える必要もない。どうしても「今」は駄目だと彼に言ってみたが、聞いてない!すごい勢いでいろんなリクエストが彼からメールされてきた。10 分前までは駄目、駄目、無理に決まってると決め付けていた私も、彼のあまりの聞いてなさに、もうやるだけやりましょという気持ちになった。何故ならば彼は独身で(しつこく言うようだか。。。)しかも男だから1 ヶ月くらいどこかでジプシーのように転々としなくてはならない状況になっても耐えられるだろうと無責任に判断した。

 そうと決まってから24 時間私はありとあらゆる可能性のある物件を見学にいく予定を週末に向けてたてた。彼いわく、何かひとつあきらめられるとしたら、仕事場までの距離だと言う。だから広ければ遠くても気にならないとの事。バジェットは決まっているわけだから、バジェット内でなるべく広いところといえば、可能なのがブロンクスのリバーデール。もう、心はリバーデールで探すモードに、しかも一回の訪問で決定する勢いで週末を待った。

 日曜日の朝、私は車で彼を迎えにいった。車に乗るなり、昨日はゴルフのあとに友達の誕生日パーティーにいって凄い疲れてると、いきなり朝からやる気のない発言。もう、この日のために体調を整えていた私としてはずっこけた。というか、途中あまりその気のない返事をしたりするからだんだんを私もトーンダウンしてしまった。しかも2 月の日曜日、リバーデールといえば当然リバー(川)に近く、冷たい風が体に痛かった。そんな中、3 件くらい物件を見ることができたのだけど、それでもJ君は力が抜けたまま。あまりにも力がないからお昼でも食べて力を出そうよとランチをすることに。ところが急に暖かいところに入って彼はほっとしたのか、席につくなりいきなりゲロを吐いた。(ちなみに私の目の前で。)私はゲロをはきそうなほどに疲れてるJ君を北風のなか連れまわしてしまったのかと思うと、急に彼の事がかわいそうになってしまった。それから、私もJ君も黙ってしまい、もう今日はとりあえず帰ろう・・。と車に乗った。私は車の中でまた急に気分が悪くなるのではないかとハラハラしながら運転した。なんだかとっても気まずい、長い、長いリバーデルーからマンハッタンへの道のりだった。大人なのに自分の体調も気にかけずに寒い中外出してしまうJ君って一体何者?もう、二度と会いたくないとその日は思ったが、次の日に一応お見舞いの電話をいれてみる事に。

   J君、体調は良くなっているだろうか。果たして無計画にも思いつきだけでアパートを購入する事はできるのだろうか?次回をお楽しみに。
文/写真/情報提供 keiko Matsumura
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コメント from けい子:
日本語で親切に対応してくれます。
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