NYの日系コミュニティガイド
NY EVENT
2005/03/01 UP

 ニューヨークに住んでいる人なら幾度となく耳にしたことがあるのではないでしょうか。あるいは、自分で身をもって体験された方も多いかと思います。9/11のテロ以降も世界中の人々を魅了して止まないニューヨークで仕事をしながら、理想のアパートに入居することが、いかに高いハードルであり、そこにたどりつくまでに数々の過酷な審査をパスしなくてはいけないことか。日本に住んでいる人には想像もつかない世界だと思います。

 アメリカ在住17年になる私が、不動産に興味関心をもつようになったのは、今、所有しているコープを8年前に購入したのがきっかけ・・・と、いいたいところですが、実は購入してから何年かたってからのある出来事がきっかけでした。そのことについては後でお話するとして、まずは私が自分のアパートを購入することになった経路についてお話したいと思います。

 購入することになったきっかけは、はっきり言ってしまうと当時の私の状況では「賃貸するほうが、購入するよりも困難」という状況だったからなのです。とかく困難は避けて人生を歩みたい私は、購入して自分の人生が少しでも「楽」になるのなら、それに越したことはなしっ!これで私のニューヨーク生活オッケ〜!的なノリで、特に誰からも不動産の購入を勧められたわけでもなく、あまり購入するという決断に深い意図があったわけでもなく、ただただ住むための場所を購入することにしたのでした。

 当時、大学を卒業して憧れのニューヨークの証券会社に就職したのは、自分のなかでは「とっても素敵!」な事でした。これで毎日好きなだけセンチュリー21で、しかも自分のクレジットカードでお買い物ができるのね〜。なんていう浮かれた気分とは裏腹に、なんと私の想像もしていなかった困難が!それは、生活する場所、毎日体を休められる場所を確保しなくてはならない、という事でした。

  朝から晩まで会社で仕事して、疲れきって床について、また翌朝起きて会社へ行って、の繰り返しの毎日。しかも、会社で新米の私が昼間に堂々と会社の電話を使って不動産エージェントと連絡を取り合う、またはランチタイムにちょっと外出、なんていうことは許されない世界でした。しょうがなく週末にエージェントに連絡してアポをとり、翌週の会社帰りにアパートを見に行ったとしても「一歩おそかったですね〜。もう借り手が決まりました」なんていうことばかり。

  ニューヨークの人はアパートを探すために休暇をとっているか、仕事もしないでぶらぶらしている人が良いアパートを先取りしているに違いない!でも、仕事もしていないのにどうしてアパートを借りられるの???と疑問はつのるばかり。本来は仕事を持ち収入の保証がある人でないとアパートは借りられないはずなのに、ちゃんと仕事をしている私は仕事にしばられてばかりで、いつまでたってもアパートを借りられないじゃない!それはもうニューヨークの巨大ブラックホールにでも飲み込まれてしまった気分でした。

  アパート探しに時間ばかりとられていては、私の理想とする「素敵」なニューヨーク生活がエンジョイできなじゃないの〜。こんな無駄な時間は二度とすごしたくない!と思った私は発想を変え、借りるのにこんなに時間がかかるのならいっそのことアパートを買ってしまおう。アパート探しに疲れた私のマインドは賃貸市場とはさっさとおさらば!こうなったら自分がオーナーになるしかない。そうすれば、やれ家賃の値上がりだの、ペットは駄目だの、暑い、寒い、と大家と揉める時間も省かれ、これで少しまた私の目指す「楽」な生活ができるかも、という私の一途な思いに後押しされ購入することになったのでした。そして、8年たった今の今まで購入したことは後悔したことなど一度もなく、どんなに私のニューヨーク生活にプラスになったかは図りしれません。

 このようにコープを購入した当時の私は全く不動産市場に鈍感だったのですが、購入後3年くらいたったある日、同じビル内の同じタイプのアパートが私の購入した価格の二倍以上で売れたということを知ったのでした。この時、私の頭の中をよぎったのは、「もしや今このアパートを売れば私には、こっ、こんな大金がっ、入るのぉ〜〜〜?!」という言葉でした。そして頭の中で私のレジがじゃり〜ん、じゃり〜んと音を立て始めたのでした。それと同時に、「そっか〜、ニューヨークにはかの有名な不動産王のドナルド・トランプいるし、私がプチ・トランプになったりして?」「不動産って面白い!私、やっぱり不動産業界で仕事したい!!」と考えはじめたのでした。

  その後、迷わず不動産エージェントの道を歩き始めた私は、これまでたくさんの方のアパート購入のお手伝いをさせていただきました。夫婦で購入される方もいれば、投資の目的で購入されるビジネスマンもいますし、特に最近は賢く計画的に不動産を購入される独身女性の姿も多く、彼女たちの決断力には感心させられることもしばしば。購入の目的こそ人それぞれですが、私が自分の購入経験、そして不動産エージェントとしての経験から言えることは、きっかけと決断が重要ということ。よく日本人の方で「不動産の購入は一生に一度の大きな買い物。よ〜く考えて、よ〜く機会をうかがって」と思っている人が多いのですが、アメリカ、特にニューヨークは不動産の売買、買い換えなどはよくあることで、よ〜く考えたり、機会をうかがっている間に、いい物件はすぐに取られてしまい、結局機会を逃してしまったりしかねません。

 きっと、今これを読んでいる人の中には、不動産って結婚してから買えばいいし、それにきっと旦那さんが買ってくれる(または二人で買う)し、日本の友達には言えないくらいお給料が少ない、(でも日本では経験できないような仕事をさせてもらってるから、授業料を払ってると思うしかない)、(そういう事情もあって)貯金がない、いつ日本に帰るかわからない、永住権を持ってない、などなど数々の理由からニューヨークで不動産購入なんて自分とは「別世界」の話だと思っている方が多いのではないでしょうか。

 今思い返してみると、私がアパートを買えたのも、単なる思いつきと思い上がり、そして、その気になってあまり迷わずに行動したのが良かったに違いないのです。そこでこのコラムでは、イマイチ不動産購入に踏み切れないでいる皆さんのために、私や実際に購入された方々の体験談やアドバイスを交えながら、不動産購入について分かりやすく説明していきたいと思います。

 このコラムがきっかけになって、ニューヨークで活躍する日本人の方が一人でも多く「不動産を買ってみたい!」「もしかすると私でも買えるかも?」と、不動産の購入に興味を持っていただければ嬉しいです。そして何年後かに自分の人生を振り返ったときに、ニューヨークでの生活経験が私の「人生の財産」と言えるのはもちろんのこと、それにプラスして不動産という真の財産も手に入っていればそれにこしたことはないですよね。

 そうはいっても、じゃあ、まず最初に何をしたらいいの?という声が聞こえてきそうです。そこで、次回からは皆さんの疑問にお答えする形で、不動産購入のステップを順を追って説明していきます。不動産の購入って本当はそんなに難しいことじゃないんですよ。ぜひこのコラムを読んで楽しみながら不動産購入の知識を身に付けてくださいね。お楽しみに!

文/写真/情報提供 keiko Matsumura
01 不動産購入のタイムライン
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01 Brooklyn Heights
NY市の歴史の中でも最も古い街のひとつ。その昔「Fullton Ferry Landing」と呼ばれる船着き場から、マンハッタンとを往復するフェリーが出ていた。映画にもよく登場する「Promenade」と呼ばれるイーストリバー沿いの高台の遊歩道からはマンハッタンのスカイラインが一望できる。マンハッタン、特にダウンタウンエリアへの通勤にはとても便利なエリア。
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01 Y子さんの場合
About her:
年収: $50,000
職業: 日系IT会社 SEエンジニア
About her new home:
When: 2002年
Where: ブルックリンハイツ
Type: コープ
Room: スタジオ (450SF)
How huch? $100,000
Maint
enance:
$480/mo
Love: 地下鉄の駅に近いので便利。プラス、お天気のいい日はブルックリンブリッジを渡って、Wall St.にあるオフィスまで歩いて通勤できる。フルタイム・ドアマンがいて安心。ジムもお気に入り。
Wish: ダイニング・テーブルを置けるスペースがあったらいう事なし。
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