|
「世界中がこの街についてくる!」と言っても過言ではないほど、ニューヨークっていつも刺激に満ちた街。ファッション、経済、情報、トレンド全てにおいて頂点を極めた都市は世界でもここだけ(なんて。私を含めニューカーはいつもニューヨークは世界一の街だと自惚れています)。そして何を勘違いしたのかこの私、蚊の涙ほどではありますが、世界中のみんなが憧れるニューヨークを所有させていただきます!あ〜、なんて素敵な事なのかしら?なんて大人な体験。オ〜・マイ・ニューヨーク!!
マイ・ニューヨークをゲットするにあたり、実はこれからが誰も教えてくれなかったこと。不動産ホラーのドアがオープン・セサミです。何故、人々はこの部分をあまり語りたがらないのかというと、実際問題あまり楽しい経験ではないということ。特にこれから不動産を購入してハッピーライフをおくろうとウキウキしている人たちにとっては、まったくもって聞きたくないようなことだったりします。でもこれも不動産購入を目指して乗り越えていかなくてはならないもっとも重要なステップのひとつなので、ここは楽しい気分ではないことを承知でお話ししていきたいと思います。
まず買い手(バイヤー)が契約書にサインをし、そしてその後で売り手(セラー)がサインをしたその時点で不動産の売買契約は成立します。こうして契約が成立し次に買い手がしなくてはならない事は、住宅ローン(モーゲージ)の申し込みです。この「契約したら住宅ローンの申し込み」という一連のプロセスは、不動産弁護士やブローカーにとっては、「シャンプーをしたらリンスをする」みたいに当たり前過ぎるぐらい当たり前な事なので、多くのブローカーはバイヤーは当然このプロセスを理解しているという前提で話しを進めてしまいます。なので、いちいち「契約が成立したらモーゲージを申し込むんだよ」というお言葉を掛けてくれるわけではないということを十分に理解しておくことが大切です。
アメリカでは、不動産ブローカーの仕事は不動産を探して受け渡す事であって、モーゲージの選択・申し込み等はモーゲージブローカーという別の職業の人がお手伝いすることになっています。こっちはこっち、そちらはそちらでどうぞ、みたいに単独にビジネスをしがちなので、買い手にとっては自分だけなんとなく蚊帳の外みたいな気分になるかもしれません。がっ!ここからのプロセスでもっとも大切なことは、買い手の人が中心となり不動産購入というゴールを目指して、不動産購入チームなるチームを作り上げ、そのチームをうまくまとめつつゴールに向かって直進するという事です。ときたまチームの中で進行を乱す人が出てくるかもしれませんが、あなたがこのチームをどれくらいうまく動かせるかによって、どれくらいスムーズに不動産購入というゴールにたどり着けるかが決まってきます。なので、ここが踏ん張りどころです。では、これからこのチームの中で誰が何をすべきなのか、それぞれの役割分担を再確認しながらチームのメンバー紹介といきましょう。
まずチームを構成するメンバーは、買い手(バイヤー)、売り手(セラー)、買い手側弁護士、売り手側弁護士、売り手側不動産ブローカー、買い手側不動産ブローカー、モーゲージブローカー、アプレイザー、銀行弁護士、コープ(またはコンド)弁護士、クロージング・エージェントとなります。驚く事なかれ、不動産購入チームとはこんなにもたくさんの人で構成されるているのです!では各メンバーの役割をざっとおさらいしてみましょう。
買い手: (購入者。英語でいえばバイヤー。)
売り手: (売却者。セラー。)
買い手不動産ブローカー: 購入者に代わり売却者との間に入り、買い手の立場にたって交渉する。ここでいう交渉とは、そう、ショッピングで一番大切なこと=価格交渉です。物件をいかに安く購入する事ができるか交渉します。また値段だけではなく、いかにしてさまざまな購入資格を得るか等の相談もします)
売り手不動産ブローカー: 売却者に代わり購入者との間に入り、売り手の立場にたって交渉する。言い換えれば、物件をいかに素敵にマーケティングして少しでも高い値段で売れるように日夜努力をする人。物件の情報を買い手に正確に伝え、購入者資格などを見極める。
買い手弁護士: 買い手が購入にあたり法律上の手続きをとる人
売り手弁護士: 売却者の不動産権利移転にあたり、法律上の手続きをとる人
アプレイザー: ローンを組む銀行から雇われ、不動産査定をする。
銀行弁護士: ローンを組むにあたり、法律上の手続きをしてくれる人。主に買い手側の弁護士が中心にコンタクトする事が多い。
コープ(コンド)弁護士: 物件の譲渡に関する法律上の手続きをする人。
クロージングエージェント: 受け渡し日に書類の手続き等がスムーズに行くように見守ってくれる人。アパートを購入する場合は主に物件のマネージメント・カンパニーの人がこの役目を担うことが多い。
この不動産購入のステップをスポーツに例えるなら、日本が誇る駅伝マラソンでしょうか。ただしランナーはバイヤーであるあなた1人。各中継地点でそれぞれ必要な書類やお金なんかを手に入れてゴールに向かうのです。最後まで諦めないで一歩、一歩前進しゴールにたどり着いた人だけが得られる快感、充実感があなたを待っています!と言われても、なんだか苦しい道のりを想像してしまってあまりうれしくないかもしれませんが、ランナーズハイという言葉があるように、苦しくても走っているうちにだんだんと気分が良くなってくるものなんです。ちなみにランナーズハイという現象は出産のときにも起こるそうですが、不動産購入においても十分な快感が得られるはずです!(と思うのは私だけでしょうか・・・)
アメリカにいて仕事をしていると、文化の違いからか、うっそ〜、どうして?って思う事が多々ありますが、それはあくまでも仕事上のことなので我慢したり、理解するための努力などをするかと思います。ところが、自分がお客さんの立場でこの不動産を「買ってあげましょうじゃないの」っていうのに、不動産購入の場合、もぉ〜、嫌〜!と思う事が多々あるのが現実です。「あ〜、こんなに大金をだしてど〜して自分が嫌な思いしないとならないの?バカらしい、アパートなんてなくったって死にやしないから、止めちゃうもんね」と思う日もあるとは思いますが、みんなそうして購入しているので自分だけ特別なケースではないという事を覚えておいて下さい。買い手がしっかりとプロセスを把握しないで、ヤッホ〜なんて手放しにうかれたりしていると怖い事になることもあるので、浮かれつつもちゃんとしたステップを踏み続けるように。(強いていえばこのステップかなり踏み外しやすいのでご注意を!)
予習済みのバイヤー(特にこれを読んで下さっている人々)は当然のようにモーゲージブローカーに率先して連絡をして下さい。契約を交わしたことを伝えるために大切なのは契約書のコピーです。これまた先手を打って自分から弁護士にコピーをお願いします。なんだか前回に引き続き今回もとてもつまらない手引書風のお話で、実際に買おうかどうか迷っている人はこんなもんを読んだだけで、あ〜、やっぱり不動産って面倒な手続きがあって、だから私にはできないんだよ。と思ってしまったかもしれませんが、そういう人は物件探しの前に、「信頼できるブローカー探し」というステップを項目に付け加える事をお忘れなく。頼れるブローカーさえ見方につけてしまえば、煩わしさも半減、あるいはゼロにだってなるはずですから。さて、話はずれましたが、しっかり者のバイヤーは先手、先手をとって誰に導かれるでもなく前進していきましょう。
モーゲージの申し込みをするのに、これまたショッピングの時間がきました。 ショッピングと聞いて、体が勝手に反応してしまう私ですが、実はこのショッピングがあまりエキサイティングではありません。手にとれないもの、自分の肌で確認できないものをショッピングしろと言われても、私なんかは想像力が乏しいせいか、どこか全力投球できない傾向にあります。途中で何をどう選んでいいのかわからなくなってきて、どれもこれも同じに見えてきてしまうのです。その結果なんでもいいからといい加減になりがち。
言ってみれば、モーゲージ・ショッピングは航空券の購入に似ているかもしれません。電話やインターネットで値段を確認しますが、同じセクションの席でも旅行会社やオンラインサイトによって値段が多少違ってきます。でも少し高い値段を払ったからといってチケットが高級用紙にプリントされてくるとか、香り付きだったりするわけではなく、少し安い金額を払った人と同じ飛行機に乗れるだけのことだったりします。でもそれならば少しでも安く、少しでもサービスの良いところで購入したいですよね。例えば、日本行きのチケットを購入する場合、直接航空会社から購入、インターネットで購入、日系の旅行会社から購入するなどさまざまな方法がありますが、どこで買うかによって価格とサービスなどに多少の差がでてきますよね。モーゲージに言い換えても、$200,000のローンを組むとした場合、申し込み料金、ポイント、金利などを比較すると、どのモーゲージ会社に申し込むかによって微妙に価格に差がでてきます。なのでいろいろな要素を慎重に選ばなくてはなりません。でも高いからといって内容がいいとは限らないし、少し安いからってお得かというとそうとも限りません。じゃあどうやって決めればいいんだ!ってことになりますが、私の経験からいくと、じっくりと話を聞いてくれるモーゲージ・ブローカーを選ぶこと。これにつきます。
モーゲージ選びはお金に関することなので、私のほうでも慎重に慎重にとつい言ってしまうのですが、「大切なステップだらけで息を抜く暇なんてないじゃないのよ〜。ここらで一気に老化が加速した気がするわ!」と怒りの声が聞こえてきそうです。「あっ。そんなに怒ると美容に悪いですよ!」なんて。よけい怒らせてしまったでしょうか。ではちょっとここらでシングル・バイヤーに耳よりなお知らせで〜す。「こういう難しいプロセスって優しいパートナーと一緒に乗り越えたかったわっ」な〜んて思うこともあるでしょうが、こういう大切なプロセスにかぎって、一人で決断した方が断然、楽だったりするようです。二人で合わない意見をなんとか合わせようと試行錯誤するよりも、一人の方が100%自分の意見を通せてストレス半減という事みたいです。ねっ!ちょっといいニュースでしょう!IKEAに行くとよく不機嫌なカップルを見かけませんか?たかが家具のショッピングでも意見がわかれて口げんかになるカップルがとても多いそうです。意見がわかれた時には折角の楽しいショッピングも台無し。ここだけの話、私の友人でIKEAで家具を買ってきて、その後に組み立てをしていて意見が合わなくなり、あやうく離婚の危機に陥ったカップルもいます。こうした傍からみたらささいなことでも、人間が二人、特に何でも言い合える親密な仲だとなおさらに意見が分かれてしまうこともしばしば。こういうことを目の当たりにすると、二人で不動産を購入するなんていかにストレスフルなことか想像できますよね。ですので、慰めなんかじゃなく、NYでは「あ〜、一人で良かった」って思うシングルでストレスフリーの場面によく出くわすのも事実のようです。 |